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北海道消化器癌マネージメントセミナー
2009.04.07
北海道消化器癌マネージメントセミナー
2009年4月4日、札幌パークホテルで、北海道消化器癌マネージメントセミナーが開催されました。
緩和医療をメインとした内容で、北海道大学病院緩和ケアチームの田巻知宏先生と、川崎医科大学臨床腫瘍学講座山口佳之教授にご講演を賜りました。
田巻先生からは、北海道大学病院での緩和ケアチームの立ち上げから活動初年度の活動状況につきご講演いただきました。紹介症例数はチームの当初の年間目標100例を大きく超えた170例であり、今年度以降も研修会・勉強会の充実などを通し、さらなる発展を目指しているとのことでした。緩和医療の一般的なお話の中では、bad newsの伝え方について医療者の技術の洗練が必要である、というお話が印象的でした。患者本人と家族を分けて考えないこと、つまり、「同情する:かわいそうだから話さない」のではなく、「共感:つらいけど、言葉を選んで話す」という姿勢で接する、ということが重要である、と。
山口先生には、随所に笑いのネタをちりばめつつも、緩和医療の概論と各論につきメリハリのある講演をしていただきました。「消化器癌を制するものは緩和を制す(消化器癌で亡くなる患者様が最多であり、消化器癌は進行と共に様々な症状を伴う)」という言葉が印象的でした。消化管閉塞に対するサンドスタチンの使用、癌性胸腹水に対する腔内薬物投与による治療、フェンタニルのタイトレーションにつき、自験例を中心にわかりやすく解説していただきました。また、在宅医療についての、「医療者側が、「これでは在宅は無理だ」という勝手な判断を行うことで、患者、家族の在宅への移行への希望・熱意をくみ上げることができず、在宅移行実現をブロックしていることが多々ある」、との言葉を聞き、自ら顧みてまさにその通りではなかったろうか、と反省するほどでありました。
緩和医療に携わる、多くの施設の多くの職種の方の御参加をいただき、フロアからも実地診療とリンクした多数のディスカッションがなされ、緩和医療の柱でもある地域連携についても、本会を通して大きな収穫があったのではないかと考えています。
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